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■ ベンメリア遺跡

「密林に眠る謎の神殿――ラピュタの世界が現実に。」

12世紀初頭、アンコール・ワットと同時期にスーリヤヴァルマン2世の命によって建てられたとされる「ベンメリア遺跡」。

未修復のまま自然に包まれた姿は、苔むした石や崩れた塔が密林の中にひっそりと佇み、まるでジブリ映画『天空の城ラピュタ』の世界を彷彿とさせます。

かつての王道が通っていた重要な場所でもあり、アンコール・ワット建設のための建築技術の試験場だったという説も。神秘的な風景とともに、カンボジア古代建築の源流を感じることができる貴重な遺跡です。

■ クバールスパアン

「聖なる水が流れる彫刻の川――森に眠るクメールの祈り。」

「クバール・スピアン」は、シェムリアップ北部の山中に位置する神聖な川で、“千本リンガの川”とも呼ばれています。11〜13世紀にかけて、ヒンドゥー教の神々やリンガ（男性のシンボル）が、川底や岩肌に無数に彫られました。それらの彫刻には、川の水を聖水とし、アンコール・ワット方面の田畑に豊穣をもたらすという深い宗教的な意味が込められています。訪れるには約1.5kmの山道を徒歩で登る必要がありますが、その道中は自然の森に囲まれ、野鳥の声や涼やかな風に癒されるトレッキング体験も魅力の一つ。頂上に到着すれば、静かに流れる清らかな川と、美しくも神秘的な石彫群が迎えてくれます。

アンコールの巨大寺院とは異なる、“自然と信仰の融合”を感じられる、隠れた名スポットです。