カンボジアの概要

国名: カンボジア王国

国旗:中央に世界遺産アンコールワットが描かれ、白は仏教、上下の青は王室の権威、中央の赤は国民の忠誠心を表しています。1953年の独立後、内戦を経て1993年に旧王国時代のデザインが復活しました。

 

国土と位置:

面積は約181,035平方キロ(日本の約2分の1)。インドシナ半島の南西部に位置し、東・南はベトナム、北西はタイ、北東はラオスと国境を接しています。国内には、北から南へメコン川が流れ、西側に東南アジア最大のトンレサップ湖があります。

 

人口・政治:

 • 人口:約1700万人(2024年)

 • 首都:プノンペン

 • 元首:ノロドム・シハモニ国王

 • 首相:フン・マーネット首相

 • 政体:立憲君主制

 

 

言語:

公用語はクメール語(カンボジア語)。主要な観光地や都市部では英語も通じます。

※クメール語は、古代インドのサンスクリット語やパーリ語の影響を受け、南インドから伝わった文字が改良されてできました。

 

民族・宗教:

 • 民族: 約90%がクメール人。その他、ベトナム人、中国人、チャム族、少数の山岳民族が在住。

 • 宗教: 大多数が上座部仏教徒。その他、イスラム教やキリスト教も少数存在。

 

時差:

日本より2時間遅れ。日本の正午はカンボジアの午前10時。サマータイムはありません。

 

ビジネスアワー

 • 政府機関: 月〜金 8:00〜12:00、13:00〜17:00(または14:00〜17:00)。土日祝は休業。

 • 銀行: 月〜金 8:00〜16:00(昼休みなしの場合が多い)。

 • 飲食店: 一般的に11:00〜14:00、夕方から夜まで。店舗によって異なるので事前確認が必要。

 • 市場: 早朝〜夕方17:00頃まで。ただし、店舗ごとに異なります。

 

 

その他の重要情報

 • 電圧・コンセント:

 220V / 50Hz。日本の家電使用には変圧器が必要。AタイプやCタイプのコンセントが主流ですが、他の形状もありますのでアダプターを用意すると安心です。

 • 気候:

 熱帯モンスーン気候。年間平均気温は約28.5℃。乾季(11月〜5月)と雨季(6月〜10月)に分かれ、旅行には11月〜1月が比較的過ごしやすい時期です。

 • 電話・インターネット:

 ホテルの電話やプリペイド携帯が便利です。多くの施設で無料Wi-Fiが利用できますが、通信速度は遅めです。

 • 税金:

 基本10%のVATがかかります。なお、レシート発行時の支払いでは、旅行者へのVAT還付はありません。

 • クレジットカード:

 観光客向けの店舗やショッピングモールでは使えますが、ローカル店舗では現金が主流です。

 • チップ:

 基本は習慣としてありません。高級ホテルやツアーでは、サービスに応じて任意で心づけをする場合があります。

 • 通貨:

 現地通貨はリエル(Riel)ですが、USドルも広く流通。1USドル ≒4,000リエルが目安です。低額支払いはリエル、高額紙幣は注意が必要です。両替は空港や銀行、両替所で行えます。

 

国際電話のかけ方

 • カンボジアから日本へ:

 001(国際電話識別番号)+81(日本の国番号)+(市外局番の最初の0を除く)+電話番号

 • 日本からカンボジアへ:

 国際電話会社の番号+010+855(カンボジアの国番号)+(市外局番の最初の0を除く)+電話番号

カンボジア国内の移動手段

 • 飛行機:

国内路線はプノンペン~シェムリアップ間とシェムリアップ~シアヌークビル間の2路線のみ。特にプノンペン~シェムリアップ間は、カンボジアアンコール航空やバヅサカ航空などが就航しており、便数も豊富です。

 • バス:

長距離移動にはエアコンとリクライニングシート付きのバスが便利です。夜行バスにはマットを敷いた寝台タイプもあります。チケットは旅行会社、直接の電話予約、またはインターネットで予約可能です。なお、プノンペンの公共バスは路線が限られており、地理に不慣れな方には利用が難しいかもしれません。

 • トゥクトゥク:

バイクの後ろに座席が取り付けられた一般的な乗り物です。メーターや料金表がないため、目的地を伝えて料金交渉が必要ですが、屋根があるため雨天や猛暑でも安心です。

 • バイクタクシー:

バイクの後部座席に乗るスタイルで、近距離移動に最適。料金は交渉制ですが、安全面から遠距離や夜間の利用は避けたほうが良いでしょう。また、ドライバーの多くは英語が苦手です。

 • シクロ:

自転車の前に設けられた座席に乗る乗り物で、速度はゆっくり。近距離の移動に向いており、特に市場周辺でよく見かけます。料金は交渉制で、30分や1時間単位でチャーターして観光に利用することもでき、のんびりと風を感じながら移動できます。

 • タクシー:

プノンペンではメータータクシーが普及していますが、路上で拾えることは少なく、ホテルやタクシー会社に直接電話して呼ぶ必要があります。料金はトゥクトゥク並みとなります。

 • レンタサイクル:

ゲストハウスやホテル近くで「FOR RENT」の看板が目印。自転車のレンタルにはパスポートやデポジットが必要で、最近では電動アシスト自転車も利用可能です。

空港から市内への移動と出発の手順

● 到着時の流れ

① ビザの取得

カンボジア入国にはビザが必要です。

 • 事前申請: 日本のカンボジア大使館や領事館での申請、またはインターネットで申請できる「eビザ」を利用すると、クレジットカード払いで簡単に取得可能です。

 • 空港での取得: 機内や入国審査ロビーで配布される申請用紙に必要事項を記入し、顔写真と手数料(観光ビザ:30USドル、ビジネスビザ:35USドル)を用意します。カウンターで名前が呼ばれたら、ビザ貼付済みのパスポートと交換し、代金を支払ってください。受け取ったら、ビザの種類や名前の綴りに間違いがないか確認しましょう。

 

② 入国審査

パスポートを提示するだけで、基本的に質問はありません。

 

③ 手荷物受取

到着後、荷物受取所で預けた荷物をお受け取りください。

 

④ 税関手続き

機内で配布される税関申告書に記入し、係官に提出します。なお、現金持ち込みが10,000USドル以上の場合は申告が必要です。

 

⑤ 市内への移動

税関を出ると、送迎を待つエリアがあります。ホテルの送迎を依頼している場合は、名前を書いた紙を持って迎えが待っています。送迎がない場合は、空港タクシーまたはトゥクトゥクのカウンターへ向かってください。空港内外で直接交渉して利用することも可能です。

 

出発時の流れ

 

空港へ向かう場合:

 • プノンペン: 市内中心部から車で約30~40分、トゥクトゥクなら40~50分程度。

 • シェムリアップ: 市内から車で約1時間、トゥクトゥクなら約1時間40分ほどかかります。

 

出発の際は、以下の手順に従ってください。

 

搭乗手続き

搭乗券の発行や荷物の預け入れを行います。

 

② 出国審査・X線検査

パスポートの提示とX線検査を受けます。

 

③ 出発ロビー

カフェ、みやげ物店、書店などが並び、軽食や飲み物を楽しむことができます。待ち時間も快適に過ごせる環境が整っています。

シェムリアップへの渡航に関する注意事項

 • 一泊以上の滞在義務:

これまでアンコール国際空港(シェムリアップ)からの航空便で入国する場合、同日中の出国(日帰り)はできず、一泊以上の滞在が必要でした。プノンペン国際空港や陸路での国境越えの場合も同様です。

2024年7月に撤廃の方針が示されましたが、現時点では新たな政令は出ていません。最新情報を随時ご確認ください。

 • 入国要件について:

渡航前に、下記の入国条件や手続きについて、必ず駐日カンボジア大使館(TEL: 03-5412-8521)などに問い合わせ、確認してください。

 

 

カンボジア入国の基本要件

 • パスポート:

入国時の残存有効期間が6ヶ月以上あること。

 • ビザの取得:

カンボジア査証(ビザ)が必要です。取得方法は以下のいずれかになります。

 1. 在外公館での事前取得: 日本または外国にあるカンボジアの大使館・領事館で申請。

 2. 到着時(アライバルビザ): プノンペンやシェムリアップの空港、または周辺国の陸上国境で取得。

 3. オンライン申請(e-Visa): カンボジア外務省の公式サイト(https://www.evisa.gov.kh)で申請(通常、3営業日以内に発行)。 (https://www.evisa.gov.kh/)

 • オンライン入国手続き(Cambodia e-Arrival):

入国、税関、検疫の手続きは、公式サイト(https://www.arrival.gov.kh)または専用アプリ「Cambodia (https://www.arrival.gov.kh/) e-Arrival(CeA)」で、出発日の7日前から行えます。

※代行サイトを利用すると高額な手数料が発生する恐れがあるため、正規サイトから申請してください。

 

 

カンボジア入国ビザの種類

 • 観光ビザ(Visa T):

観光目的で、最長30日間の滞在が可能。基本的には【シングル】(1回入国)を利用します。

※オンラインで取得する観光ビザは「e-Visa」とも呼ばれますが、一般ビザ(長期滞在用)とは別です。

 • 一般ビザ(Visa E):

ビジネスや長期滞在(1ヶ月以上)の目的で入国する場合に取得します。

 • シングル vs. マルチプル:

 • シングルビザ: 1回のみ入国可能。

 • マルチプルビザ: 指定期間内で何度も出入国が可能(1回あたりの滞在は30日、延長可能な場合もあります)。

 

 

ビザ取得方法と手順

 

1. オンラインで事前に取得する方法(e-Visa)

 • 必要なもの:

 • パスポート(有効期間6ヶ月以上)

 • 顔写真のデータ(スマホで撮影可能)

 • パスポートの顔写真ページの画像データ

 • クレジットカード(2025年1月以降、観光ビザ料金はUS$30/人に値下げ)

 • 手順:

 1. カンボジア王国外務省公式のe-Visa申請サイトにアクセス(日本語表記に切替可能)。

 2. 画面の指示に従い、必要事項を半角英字で入力し、顔写真とパスポートの画像をアップロード。

 3. 入力内容を確認後、クレジットカード決済(US$30/人)を行います。

 4. 決済完了後、3営業日以内にメールでビザが届くので、内容を確認し印刷(予備として2部印刷推奨)。

 5. 印刷したビザは、パスポートに貼り付けてもOKです。

 

2. 空港で取得する方法(アライバルビザ)

 • 必要なもの:

 • パスポート(有効期間6ヶ月以上)

 • 現金(USドル、観光ビザはUS$30/人、一般ビザはUS$35/人)またはクレジットカード(2024年9月から国際空港で電子決済対応の場合あり)

 • 「Cambodia e-Arrival(CeA)」アプリまたはWebサイトで事前手続き(推奨)

 • 手順:

 1. 到着後、ビザ発給カウンターに並び、事前にCeAで手続き済みの場合はQRコードを提示。

 2. カウンターでパスポートを提出し、待機します。

 3. お名前が呼ばれたら、パスポートを受け取ります。オンライン決済が完了していない場合は、カウンターで直接支払いを行います。

 4. ビザがパスポートに貼付され、内容を確認後、入国管理カウンターへ進みます。

 

※陸路で入国する場合、事前にオンラインでビザを取得しておくとスムーズです。バス会社が代理でまとめて申請するケースでは、手数料が上乗せされる場合があるのでご注意ください。

 

 

注意点まとめ

 • 正規サイトの利用:

オンライン申請やCeAの手続きは、必ず公式サイトや正規アプリを利用してください。代行サイトでは高額手数料や申請失敗のリスクがあります。

 • 最新情報の確認:

政令の変更やシステムのアップデートがあるため、渡航前に必ず最新の情報をカンボジア大使館や公式サイトでご確認ください。