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■ベンメリア遺跡

「密林に眠る謎の神殿――ラピュタの世界が現実に。」

12世紀初頭、アンコール・ワットと同時期にスーリヤヴァルマン2世の命によって建てられたとされる「ベンメリア遺跡」。

未修復のまま自然に包まれた姿は、苔むした石や崩れた塔が密林の中にひっそりと佇み、まるでジブリ映画『天空の城ラピュタ』の世界を彷彿とさせます。

かつての王道が通っていた重要な場所でもあり、アンコール・ワット建設のための建築技術の試験場だったという説も。神秘的な風景とともに、カンボジア古代建築の源流を感じることができる貴重な遺跡です。

■ロリュスオ遺跡（ロレイ、バコン、プレア・コー）

「静かに時を刻む初期アンコールの祈り――素朴で美しい隠れた名所。」

「ロリュスオ遺跡」は9世紀後半、ヤショーヴァルマン1世によって建てられたとされるヒンドゥー教寺院です。アンコール王朝の最初期にあたるこの時代は、都がまだロリュオス地方（現・シェムリアップ南部）にあった頃。ベトン（Laterite）と煉瓦を組み合わせた素朴な建築は、アンコール建築の始まりを今に伝えています。

　バコンやプリア・コーと比べると知名度は高くありませんが、観光客が少なく静寂に包まれた空間の中で、ゆっくりと歴史を感じることができます。小規模ながらも、古代クメール王朝の祈りの原点が息づく、知る人ぞ知る隠れた名所です。